応用情報技術者試験に合格するまでの最短距離
はじめに
はじめにofはじめに
応用情報技術者とは国家資格の一つで、いわゆるIT系の資格。「高度 IT 人材となるために必要な応用的知識・技能をもち、高度IT 人材としての方向性を確立した者」がその像らしい。情報処理技術者試験制度のスキルレベル3(最高は4)に位置づけられる。
要するに基本情報技術者の1個上のレベルで、今のところ国が認定するジェネラリストのトップ資格。IT関係の仕事に就くためにITパスポートや基本情報技術者を取る人が多い。APは実務ありきともいわれる試験なので、もしAPまで持ってたらそれなりにアピールになる(んじゃないかな)。ただ、
プログラミングできなくても知識ゼロからでもAPは取れる。
知識ゼロ~FEまでのレベルごとに良いと思われる勉強方法を書いておくので参考にしてみてください。あと、知識ゼロから基本情報技術者を目指すにしても最短距離だと思います。
FE,APを取るべきだと思う理由
僕は技術がなく、成果物がない無能なので資格にすがるしかない。
じゃあ物を作ってガンガンやってる人は資格を取らなくていいかというと、僕は取っておいた方がいいと思う。FEくらいまでは欲しい。
理由として
- 興味ない分野の勉強をさせられる
- マネジメント・ストラテジの勉強がマスト
- 早起きができることを証明できる
がある。趣味での開発を除けば、ほぼすべての開発がチーム開発になると思う。
隣のセクションがブラックボックスであるよりは何をしているのか、なんとなくはわかっておいたほうがいい。
あと、マネジメント・ストラテジを知ってる人と知らない人が共同で開発するのはお互いにストレスフルだと思う。知ってれば妥当性や合理性の検討ができるので、やらされてる感は減る。
要するに、「常識として知っておくとスムーズにいきそう」な知識を効率よく吸収できる。
つよつよの人は、僕みたいな無能にも命令しやすくなると思う。
ところでお前APいる?
(良いか悪いかは別として)もちろん業界的に資格を重視しない風潮も確かにあり、成果物で測る企業も多い。また、応用情報技術者だから入れるような企業なら基本情報技術者でも入れる気がする。
APを取れたからといって強いわけではない。
プログラミングできなくてもAPは取れる。
そう。ヨワヨワでもAPは取れちゃう。それは企業もわかってる。
ちなみに僕は高専の学生(専攻科生)だが、応用情報技術者試験に合格してから(知識・技術以外で)資格を取得したことによるメリットを感じたことは今まで一度もない。
基本情報技術者に合格していたとしても、追加で100時間くらい勉強が要りそうな気がするので、資格手当やスペシャリスト資格取得など、何かモチベーションがないのなら応用情報技術者取らなくてもいいと思う。
勉強の仕方
たまに「応用情報技術者はプログラミングがないから基本情報技術者より取りやすい」と言っているのを聞くけど、そんなことはないと思う。
応用情報技術者試験は基本情報技術者試験に毛を生やしている感じなので、まずFEを取った方がいい。結局これが最短だと思う。ITパスポートはFE午前とほぼ同じレベルだと思うので、無理して取る必要はないしステップの一つに加える必要もないと思う。FEは午前免除も始まったらしいし。
というわけで
- 知識ゼロ
- FE午前レベル
- FE午後レベル
- AP午前レベル
- AP午後レベル
の流れで記述する。自分に合ったレベルから読み始めてほしい。
たまに午後だけ合格しちゃう人がいるけど、多分そういう人は「技術タイプ」で、問題解決とか計算とかプログラミングはできるんだよね。そういう人こそマネジメント知ると強くなると思うので頑張って勉強してほしい。
知識0
まずこれ
を全部読む。これはとにかく優しい。マンガでわかるので、これを読めばいい。完全に理解しなくてもいいから、世界観をざっくりつかむ。マジで知識ゼロから読める。かみ砕きすぎておかゆ。
学校のテキストみたいなのが欲しい人は
これでもいいと思うけど、知識ゼロからだと読み切るのが大変だと思う。
FE午前レベルまで
知識の地盤を大体作ったら、あとは過去問をやればいいじゃん!
過去問は好きなのを買えばいいと思うけど、僕はこれを使った。解説が必要十分量だけコンパクトにまとめられている。苦手分野を発見したらもう一回キタミ式の本を読んで。
最初は午後の問題はあんまりわからないと思うからまずは午前の問題だけやればいいんじゃないかな。
解き方で重要なのは、「その問題を正解できる知識を入れる」だけでは不十分で「すべての選択肢に対して説明ができるようになる」こと。
過去問を数年分やれば気づくと思うが、かなりの割合で過去問と同じ問題が使いまわされている。まったく同じ出題が多いという意味でこういうことが言われるが、類題が多く出題されているところにも注目すべきで、同じような選択肢で問題文が違うことが多い。
「定義文」はどれのことか。
A-
B◎
C△
D×
っていう問題ならすべての定義文を確認せよ。ググってもいいし、ちゃんとしたテキストを買ってもいい。キタミ+グーグルで十分だと思うけど、学校の教科書みたいなテキストが欲しい人は
これがおススメ。応用情報技術者試験まで受ける人は、
を最初から買ってもいいと思う。例えばわからない単語をググった時に、Wikipediaを読むと、ちょっと難しかったりする。「この試験においてこの単語がどういう位置づけで、どの程度まで理解すればいいか」というのは初学だとわかりにくいので、これらの本を読むのもいいかもしれない。
計算とか論理回路が難しかったら、周りの知ってる人に教えてもらった方がいい。
FE午後レベルまで
FE午前の問題を一通り解いて6割くらい正解できるようになったら午後の「問題文が読める」程度じゃないかと思う。
科目の選び方
午後の試験の科目には選択科目がある。
こればっかりは好き嫌い、得意苦手が人によるので、自分が好きなものを選べばいいと思う。業務で必要な分野とか、FEを受験するモチベーションになっている科目があると思うので、それを選べばいいと思う。
特にこれといったものはなく、ただ基本情報技術者だけ取りたい人は
- データベース
- マネジメント
- ストラテジ
- ソフトウェア設計
- ネットワーク
あたりがおススメ。
データベースは出題パターンが少なく、ほぼ英単語がわかればわかる問題が多い。
マネジメント、ストラテジ、ソフトウェア設計は日本語をよく読むのと重要な計算問題をいくつか押さえておけば解けるので、初学者へのハードルは低いんじゃないかな。
ネットワークは問1の必須問題と似てるので、やりやすい気がする。
どれがいいかわからない人は、過去問数年分を全部解いてみて、相性を探ってるべし。
集中して対策するにしても、難易度は毎回上下するので6科目くらい対策して、本番で解けそうなものを選べばいいと思う。
プログラミングについても好きなのを選べばいいと思うけど、こだわりがないなら
のどれかがおススメ。
表計算はノープログラミングなので、初心者の人がよく選択します。
アセンブラは命令が少ないので、とっかかりやすいそうです。レジスタ、メモリなど、ハード的な知識も若干要求されます。簡単なものを作ろうとしますが、掛け算するにしても割り算するにしても命令が多いので、複雑に見えます。
Cはプログラミング入門の定番で高級言語の基礎。ファイル読み書きの問題が多いかも。
僕は高専の授業でCとアセンブラ(CASLII)の授業を受けたことがあり、両方受験してみましたが、僕にとっては。Cの方が簡単でした。
プログラミングも年によっては驚くほど難しかったり簡単だったりするので、2つは対策しておきましょう。
本当はPCで環境を整えて、実際にプログラムを書いて動かしてみるのが一番いい勉強だと思いますが、「環境構築は点数になりません」。午後も結局、6割取れれば合格する。プログラミングは0点でも合格できないわけではない。全部は解けなくても、最初の数問はすぐわかるようになっているので、プログラミングに時間をあまりかけないのも戦法の一つ。ちゃんとプログラムと解説を読めば、脳内コンパイルでもある程度再現できます。APでは(言語別の)プログラミングの出題はありません。
あとは過去問を何周もする。できれば午前も午後も通して。
午前2時間半、午後2時間半、休憩1時間あるので、拘束は6時間になります。
「長くてしんどい」といわれるTOEICL&Rの試験3回分も拘束されてしまう。この時間感覚に慣れておかないといけない(途中退室は可能)。
あとは過去問周回ゲーになる。頑張れ。
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ここまでFE。
知識ゼロから基本情報技術者だと、大変な勉強量になる。
APを目指してても、「勉強をやめちゃったときに何も残らない」のはよくないと思うので、FEまで取っておいた方がいいと思う。
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FEに合格した、もしくは経験や知識がある程度あり、FEが消化試合になってしまう人はAPを受験することになる。どちらにしても、対策は同じ。最短距離は結局のところ王道となるが、それしかない。
AP午前レベルまで
APフェーズでは、キタミ式のような入門書は必要ないと思う。基本情報の知識で土台は完璧だ。
いきなりこれ
を解き始めていい。FEレベルの知識があれば、午前はいきなり半分近く正答できるはずだ。基本情報技術者の午前と共通する問題もいくつかあるが、全体的により深い知識・理解を問われる。
勉強の方法は基本的にFEと同じ。解説を読み、すべての選択肢に目を通す。
FEでは見たことがない単語もそれなりにあるので、先ほどから何度も出てきている以下のようなテキストは必要だと思う。要点に絞って説明が不足なくまとまっており、過去問のお供にちょうどいい。 APフェーズだと過去問についている解説だけだと不足だと思う。
関連する単語や、類似のコンテンツについても確認が必要。
FEは定期テストのノリでなんとかなるが、APは違う。技術者としてある程度の自立が求められている。「実務ありき」といわれる所以でもあると思うが、テキストレベルではない問題も平気で出題してくる。高くつくのでFEではその必要はあまりないが、APだと年度に合わせてテキストを買うのもアリかもしれない。割と旬なトピックを出題してくることもある。技術的なニュースに多少関心を持っておく必要がある。
AP午後レベルまで
やっぱり過去問周回ゲー。
基本情報技術者の午後問題の延長のようなもの。
科目は好きなのを選ぶといいけど、ここでもやはり監査・サービスマネジメント・経営戦略は日本語の問題なので勉強しやすい。
データベースはFEの午後と比べてだいぶ難しくなるので、経験者orこれから使う人でないと厳しいと思う。
組込みシステム開発、情報システム開発は、問題文がとても長いが問題文を正確に読むことができればちゃんと解ける。
どの科目を選んでも、午前みたいに暗記で乗り切れるものはないので、どの問題も完全に理解する必要があります。結構時間がかかるので、少しでも興味があるものやモチベーションが続くものを選ぶのがいいと思う。
何でもいい人はとりあえず全部解いてみて、自分に合う(得点率が平均的に高い)科目に絞って勉強するといいと思います。
選択5問くらいを候補に絞って過去問周回しましょう。
AP午後はマジで時間がかかる。
記述式なので、解答と全く同じ文章を書けるわけがない。自分の書いた文章の妥当性を、解説を読みながら考えないといけないし、見落としや書きすぎについてもその都度検討しないといけない。
僕もよくやったけど
応用情報 午後 コツ
応用情報 午後 選択
とかで検索しがち。いろいろ書いてあるけど気休めにしかならない。結局時間をかけて勉強して、自分で考えるしかない。理解するためには考えるしかない。頑張ろう。
最後になったが、応用情報技術者試験を受けるうえで、応用情報技術者ドットコム
は神サイトなので活用するといいと思う。なんでこれが無料で公開されてるんだろう。優しい世界すぎる。僕は勉強道具を分散させたくなかったので使わなかったけど。
試験当日
朝から夕方まで拘束され、挙句の果てに次の日は平日。週末を捨てて俺たちは何をしているんだという気持ちになる。
試験当日はそれぞれ好きに過ごすといいと思う。
僕の場合は、普段勉強しながら「直前に見るノート」を作っていたので、それを事前に見ていた。
最も重要なのはトイレに行くこと。午前も午後も2時間半の長丁場なので、トイレに行っておこう。行きたくなくても行っておこう。行け。
昼食の心配をしなくて済むように、朝のうちに弁当なりおにぎりなりいなりなりを調達しておこう。眠くなるので大食は厳禁。
テキスト代を安く抑える
上で紹介したテキストには年度が振ってある。毎年若干改訂して再販しているらしい(比較したことはないのでわからないが)。
ただ、試験の内容が大きく変わることはないので、必ずしも常に最新のものを買わないといけないかというとそうではないと思う。
ブックオフに行って、型落ち版を買えば、2000円程度の書籍が200円で買えてしまうことがある。
ただ、最近あったシラバス改訂のような出来事があると、事情が変わっていることがある。不安な人は新しいの買えばいいんじゃない。
まとめ
言いたいこと
最短距離は
概要を掴む→用語を覚える(FE午前)→覚えた知識を使って問題を解く(FE午後)→用語の理解を深め幅を広げる(AP午前)→知識の応用を、実用に近いレベルまで引き上げる(AP午後)
王道でしかない(と思うが、テキストどちらか1冊に両方の機能を期待していたずらに難しいorやさしくてレベルアップしない例をいくつか観測した)が、これしかない。
本の使い分け、読む順番、手を出す順番は初学者だと難しいと思うので、それぞれのフェーズで、最適と思われる書籍も推薦した。2019年12月時点で、アフィリエイト等の契約はしていないので、上のリンクから商品を購入したからと言って僕には1円も入ってこない。中立な立場で推薦している。
最後に、APに合格したところで基本的には何にもならない。雑魚は資格を持っている雑魚になるし、強い人は資格も持っている強い人になる。
自己研鑽、就活対策なら、FEで十分だと思う。本当にAP取らないとダメ?
それでもAPになりたい諸君はお勉強頑張ってください。
繰り返しになるけど、応用情報技術者は慣れと根気で合格できる。
粘り強く頑張りましょう。